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2024年3月15日 (Ver.1)

出版社のみなさまへ

版元ドットコムサイトとopenBDのAPI配信から、御社の書誌・書影の、読者などへの提供・利用の承諾をお願いします。

●出版社が、書誌・書影の読者などへの利用を承諾する利点
利用を承諾する「読者など」、とは読者個人/著者/書店(員)/図書館/本をめぐるサービス開発者、です。
著作権を始めとした「法令に違反する利用」は対象ではないですし、法令違反には法的な手段も含めて対応します。

具体的には、次のような方々の利用を促進したいと思っています。
・読者個人
ブログ・SNSなどによって、多くの人が「世界」に、「社会」に情報を発信する時代になっています。【図①】

▼図①・1 読者 「X(旧Twitter)」での感想ポスト(書影なし)

▼図①・2 読者 「X(旧Twitter)」での感想ポスト(書影あり)

そうした発信には、読んだ本の感想や紹介も多く含まれています(もちろん批判もあります)。ブロクでも感想が書かれています。
その際に、書誌・書影をそこに含むことによって、その本の存在をより多くの人に知ってもらい、深く知る人を増すことができます。ネット書店では、そのネット書店に誘導することを条件に、書誌・書影が利用できる規約になっています。ネット書店での書誌・書影の利用はそのネット書店の「広告」という位置づけなのです。【図②】

▼図② 読者 アフィリエイトリンクを利用したブログ

特定のネット書店ではなく、版元ドットコムサイトのように、さまざまな購入可能なところへのリンクが網羅されていれば、自分のよく使うネット書店などへの購入先に移動できます。
さらに、版元ドットコムでは、「書店在庫情報プロジェクト(JPIC・カーリルとの共催)」で、読者のいる場所に近い書店の在庫を案内するシステムを準備中です(詳しくは、今後発表する予定です)。

・著者
著者の方々も、自分の書いた本をブログ・SNSで紹介しているのを見かけます。
その時に、書誌・書影を利用していればその効果は増大すると思います。
特定のネット書店のリンクだけが貼られているのを見ると、書店員はどう思うのだろうと思いませんか?
著者が自分の書いた本の紹介を書いたときに、特定のネット書店などに紐づかない書誌・書影が表示されるようになるのが良いのではないかと考えています。【図③】

▼図③・1 著者 「X(旧Twitter)」での自著の紹介。版元ドットコムへのリンクは、特定のネット書店ではなく、様々な書店に誘導できる

▼図③・2 著者 「X(旧Twitter)」で版元ドットコムサイトから、本の紹介をつぶやいた例。読者が版元ドットコムサイトのリンクをたどってくれると、複数のネット・リアル書店にたどりつける。

・書店 
書店の方々、ブログ・SNSなどでさまざまな本の情報を発信してくれています。
入荷したこの本の動きがいい、と発信するとときに書誌・書影をそこに表示できるのが理想的でしょう。
大手チェーンの書店は独自の「ネット書店」を持っていますから、そのページを案内すれば、表示することができると思います。
一方中小書店でも、クレジット決済の機能等を提供するネットショップ(STORES(ストアーズ)・BASE(ベイス)など)でお店の在庫をネット販売する例も増えてきました。
出版不況と言われながらも「独立」系書店の開店が増えています。零細な書店や「独立」系書店などは、在庫・販売管理のために、またネットショップでの販売のために、あるいは独自スリップの作成のために、書誌・書影を求めています。【図④】

▼図④ 書店 Facebookで本を紹介。版元ドットコムからの書誌・書影の「利用可」で、書店も心配なくデータを利用できる環境でこうした取り組みを加速させたい

・図書館
OPAC(オパック、オーパック、Online Public Access Catalog =オンライン蔵書目録)がネットで公開され、そこから予約やリクエストをできる図書館が多くあります。
書誌は、図書館流通センター(TRC)などから有料で購入していますが、書影の表示はGoogleBOOKSやAmazonなどの「広告利用」にもとづいて利用されていることが多いようです。またこのことから、OPACで書影表示をしていない図書館もあるようです。この図書館サイトが安心して書影を利用できる環境を実現するには、出版社の書影利用承諾の意思表示が重要です。
また、蔵書の紹介のポスターや「図書館だより」などの印刷物での本の紹介にも書誌・書影の利用承諾があることで、より利用が促進できるはずです。【図⑤】

▼図⑤・1 図書館 新しく所蔵したもの、企画に応じた利用者への紹介などで書誌・書影が使われる。版元ドットコムにも利用の問い合わせは多い

▼図⑤・2 図書館 WEBサイトでも新着本の紹介などが行われ、書誌・書影が利用される。図書館購入による増売、図書館での紹介からの購入も期待

・本をめぐるサービス開発
書店が複数出版社にまとめて本を発注できるサービスであるブックセラーや一冊!取引所、読書記録ができるブクログや読書メーター、自分の本棚を図書館として公開して地域交流のきっかけづくりとなるシステムのリブライズ。こうした本をめぐるサービスは、自由に利用できる書誌・書影の環境があることで、ますます多く開発されるはずです。
本をめぐるこうしたサービスが生まれることで、本はますます多くの人の「そば」に存在させるのだと考えます。【図⑥】

▼図⑥・1 音楽書情報共有サービス 「X(旧Twitter)」などのSNSで本の情報を発信するサービスは多い

▼図⑥・2 書評まとめ読みサービス 新聞雑誌などの書評をまとめて読めるサービスを提供。紹介の際には書誌・書影はかかせない

▼図⑥・3 スリップ作成サービス 書誌をopenBDから抽出し、表とスリップ(短冊)形式で表示するサービス。スリップを廃止した出版社の本の管理に書店が利用

▼図⑥・4 書店一括発注サービス 書店の利用が増えている、登録出版社へのまとめ受発注サービス。書誌だけでなく、書影の表示がわかりやすい

・出版社の利用
書評用の書影提供を出版社に依頼されることがあります。その場合、版元ドットコムのその本の紹介ページのURLを連絡して、そこから利用してもらうような対応をすることができます。
また、openBD APIを自社ホームページで利用することができます。版元ドットコムに書誌・書影を登録・更新・修正していただくと、自動的に自社ホームページなどに反映させる仕組みをつくることができます。
版元ドットコムサイトの書影は、原寸(四六判=128×188ミリ/350DPI)の1764pixel×2591pixelでの保存を推奨し、保存可能にしています。サイト表示用の書影画像は、その表示ページにあわせて自動的に縮小しています。したがって、印刷で利用するのにも十分な画像サイズの「元データ」として保存することができます。【図⑦】

▼図⑦ 出版社 再利用承諾をしてもらえば、は元ドットコム→openBD APIを経由して、自社サイトの更新を自動的に書換える仕組みがつくれる

版元ドットコムとopenBD(カーリルと共同プロジェクト)はこうした、いわば本の「ファン」の人々に、自由に利用できる書誌・書影の提供をすすめています。【図⑧】
こうした輪を広げるために、出版社のみなさまに読者など・第三者への利用の承諾をおねがいしています。

▼図⑧・1 版元ドットコムサイト 左グレーの書影スペースに、書影を表示。その下の赤字の【利用不可】を【利用可】にして、読者などの利用を促して、SNSなどへの発信を促進

▼図⑧・2 「書誌・書影の利用について」 クリックすると、この画面の説明が表示されます

●自由に利用できる書誌・書影はあるのか
現在、自由に利用できることを明確にした、幅広い書誌・書影の提供は、残念ながら行われていません。

・出版情報登録センター(JPRO)
日本出版インフラセンター(JPO)の一部門としてJPROがあり、ISBN出版社記号取得者の書誌・書影を一元的に収集し、取次・書店・ネット書店・その他の団体に配信しています。
新刊の書誌の収集率は90%以上、そのうちの書影は80%程度が登録されるようになりました。発足当時からくらべると、その網羅率は大幅に増えています。
しかし、その利用規約は「第三者に情報を閲覧に供すること、また提供者の意図を損なわない範囲で、受信者が情報を要約・編集することを含みますが、第三者に対する再許諾権は含まれません(2022.07.19改訂規約)」となっていて、JPROから受信した組織だけで公開・活用できることになっています。
なので、個人で、ブロク・SNSで気軽に書誌・書影を紹介しようとしても、その組織・個人は、この受信者にならなければなりません。

・ネット書店
ネット書店をみると、書誌・書影は当たり前のように表示されています。
ネット書店に表示されている書誌・書影は、そのネット書店の商品に誘導することを条件に、申込のうえ利用できます。そのネット書店に誘導しなければ利用できないし、そうでないと利用停止を通告される場合もあるようです。

・国立国会図書館(NDL)
NDLは、出版社から納本された本から、書誌情報を作成し、NDLサイトとAPIで提供しています。書誌の提供は納本後(発行後)1〜2週間の時間が必要です。また、書影は現在公開・提供されていません。利用は「非商用」に限られます。

●自由な利用の「悪用」への危惧
書誌・書影の自由な利用提供は、法令に違反した「利用」も生み出してしまう可能性があります。
著作権をはじめとした法令違反の「利用」は、ここでお願いしている「読者など(第三者)への利用の承諾」の対象ではありません。
海賊版の販売に書誌・書影を利用することや、書影の写真・イラストを抜き出し加工してネットなどで表示する、といったことは、そもそも著作権法などの法令違反ですから、私たちもそうした利用には毅然とした対応をとり、場合によって顧問弁護士もふくめて対応していきます。

書誌・書影が多くのネット書店などでも表示されています。それらは簡単にコピーペーストできる環境になっています。
現在の技術では、それを提供者がコントロールすることはできません(そうした技術開発が行われることには期待します)。
残念ながら法令違反の「利用」には、その都度それを停止させる「イタチごっこ」を繰り返す以外にありません。しかしその「イタチごっこ」を回避するために、読者などの自由な利用まで制限をすることは、せっかくの本の「ファン」たちの、紹介したい、という思いまで制限することになってしまいます。

●承諾していただく書誌・書影の利用のタイトルの範囲を、出版社がコントールできます。
この読者などへの利用の承諾は、
・出版している全部のタイトルにたいして承諾すること
・Cコードや、ジャンルコードを区切った利用除外範囲を設定すること
・【利用可】とした上で、個別の本ごとに利用不可とすること
ができるシステムとしています。
また、第三者利用承諾は、いつでも撤回していただくことができます。
撤回していただいたタイミング以前の利用を遡って削除してもらうことはできませんが、申請時点以降の利用不可表示に変更をします。

●書誌・書影の提供方法
出版社からご登録いただいたデータを、第三者の利用が可能な書誌・書影として提供します。
この提供に、出版社の負担を最大限へらすために以下の方法を用意しています。
・出版社サイトのスクレイピング(自動データ収集)を許可とすることで版元ドットコムが収集する
・オニキスフォーマット(JPROサイトからダウンロード可)をアップロードしてもらう
・版元ドットコムが、NDLをはじめとしたさまざまWEBサイトから収集することを承諾する
こうした「負担軽減」策を、引き続き研究してより軽減する取り組みを継続していきます。


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